便秘

便秘の症状とは

便秘便秘でなかなか排便ペースが整わないとお悩みの患者様も多いでしょう。放っておいても自然に治ることもありますし、市販の便秘薬で対処しているという方も多いと思います。しかし、便秘による下腹部の痛み、膨満感、血便といった症状が慢性化していたり、毎日の生活に影響を及ぼしたりしている場合は、自分だけで解決しようとせず、ぜひ専門医にご相談ください。

受診の目安としては、便秘の症状が1ヶ月以上続いているという点が挙げられます。1週間程度であれば経過観察でも問題ありませんが、症状が長期化している場合は医療機関を受診するようにしてください。

便秘の種類

便秘とは、排便量が十分でなく、かつ排便に伴い何らかの苦痛を感じている状態を指しており、具体的に排便量や排便のない期間により定義づけられている訳ではありません。

便秘は非常に一般的な症状であり、日本において男性の2.5%、女性の4.6%が便秘の症状を持っているというデータがあります。また、20〜60歳の場合女性に多くみられるのも特徴で、60歳以上になると性別に関係なく年代が上がるにつれ便秘の症状は多くなります。(平成28年国民生活基礎調査より)
便秘は下記の4つの種類に分類され、それぞれ違った原因を持ちます。

機能性便秘

ストレス、生活習慣、加齢などの要因により、腸の動きが弱まってしまうのが機能性便秘です。便秘のタイプの中で、一番多くみられるタイプです。機能性便秘は以下の3種類に分類できます。

弛緩性便秘 乱れた生活スタイルや加齢を原因として大腸の筋肉が弛緩し、蠕動運動が鈍って便が肛門側へ運ばれにくくなってしまうタイプです。
痙攣性便秘 ストレスを原因として、大腸の蠕動運動が不安定になるタイプの便秘です。
直腸性便秘 トイレを我慢する習慣がついてしまうと、直腸の神経が鈍ります。そうすると、便意を催しにくくなることから便秘につながります。女性に多くみられるタイプであり、ウォシュレットを肛門の奥まで当てすぎるのも原因になり得ます。

器質性便秘

クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患、大腸がんなどを患っている場合や、手術後に腸の癒着が発生した場合にみられる便秘です。便が大腸内を通りにくくなっている状態です。

薬剤性便秘

抗コリン薬や抗うつ薬の副作用として腸の働きが弱まり、便秘の症状があらわれる場合があります。パーキンソン病や頻尿、喘息といった疾患の治療に用いられますので、該当する患者様はご注意ください。

便秘を引き起こす消化器疾患

便秘の症状は、炎症性腸疾患(クローン病・潰瘍性大腸炎)や大腸がん、腸閉塞(イレウス)、過敏性腸症候群、慢性便秘症といった様々な疾患により引き起こされます。

特に大腸がんは早期発見が非常に重要な疾患です。早期の大腸がんの場合、がんの位置や状態によっては自覚症状に乏しいケースも多々あります。しかし、S状結腸や下行結腸にがんが発生すると早期がんでも便秘になるケースがあります。ですので、便秘の症状を放っておかず、きちんと医療機関での検査を受診することで、大腸がんの兆候をいち早くキャッチすることが出来ます。

便秘は一般的な症状であるが故に放置されやすいですが、上記の通り重大な疾患が隠れている可能性も考えられますので、思い当たる症状のある方はきちんと医療機関を受診するようにしましょう。

便秘の検査・治療方法

内視鏡室便秘の検査は、腸の様子や病変の有無を確認するために、レントゲン検査や大腸内視鏡検査(大腸カメラ)が実施されます。何らかの異常が発見された場合、各患者様の症状に合わせて治療を開始いたします。
「症候性便秘(他の病気により便秘の症状が現れている)」の場合は、根本原因になっている病気に対してのアプローチも必要になります。

便秘治療は薬物療法が中心となります。便に含まれる水分を増加させる浸潤性下剤や、腸内の水分を増加させる緩下剤、腸の働きに直接作用する刺激性下剤などを使用して排便を促します。また、浣腸や漢方薬を用いるケースもあります。各患者様の状態に応じて、これらのお薬を医師が適切に処方します。

当院の大腸カメラ検査

便秘に悩まされている場合

自己判断で便秘の症状を放っておくと、滞留した便により潰瘍や穿孔が発生したり、排便時の刺激で痔を発症したりするリスクがあります。また、便が直腸に長く滞留し固くなってしまう糞便塞栓症の恐れもあります。
便秘の症状に苦しんでいたり、1週間以上排便がなかったりとお悩みをお持ちの方は、お早めに医療機関を受診ください。

当院で便秘の診察が可能です

消化器診療当院では、患者様の便秘のお悩みに対して消化器内科の専門的な知見から診療を実施しております。一般的な診療はもちろん、大腸内視鏡検査等の高度な検査も実施可能です。
長らく便秘にお困りの患者様だけでなく、急に便秘の症状が出始めて心配だという患者様も、気になる症状があればどんなことでもお気軽に当院までご相談ください。

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